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・弁慶×九郎のような九郎×弁慶のようなどっちつかずなイチャイチャ感満載です。
・それでも宜しければ続きからどぞ。
雪がちらちらと舞う橋の欄干の上、弁慶はぼんやりと川に視線を遣っていた。見つめる先の川の水は氷つき、時折薄い部分がぱきんと軽い音を立てて割れた。
弁慶は、そんな特別面白味もない風景をただぼんやりと見ている。
「弁慶!」
橋の入口から駆けてくるものがいて、弁慶は首だけをそちらに向けた。相手の姿を認めてふんわりと笑う。
「九郎」
「済まない、思ったより時間が掛かってしまった」
申し訳なさそうに眉を下げた顔にくすりと一つ微笑して、仕方ありません、と小さく首を傾げた。
「九郎は後白川法皇のお気に入りなのだから。寧ろ僕も鼻が高い」
「しかし、こんな寒い所で待たせてしまったのは俺だ。悪かった。寒かっただろう?」
「いいえ?大丈夫ですよ」
言ってにこりと笑った弁慶に、九郎は両手を上げた。どこが大丈夫なんだ、と眉を寄せ、弁慶の被っていた黒衣の肩や頭をはたく。本人も知らずに積もっていた雪がさらさらと舞った。
おや、と目を丸くした弁慶に九郎は嘆息した。気付かなかったのか?、と問えば、えぇ、と返る。それにもう一度嘆息。
「あのなぁ…」
「はいはい」
文句を言おうとした口に指を当てられ止められる。くるりと踵を返して橋を渡って行く弁慶の後を追って隣を歩く。すると弁慶がくすくすと笑った。それに不貞腐れた視線を送れば、済みません、と可笑しそうに一言。
「謝りついでに、久し振りに手でも繋ぎましょうか?」
「は?」
「小さな頃繋ぎませんでした?僕達も出会って直ぐの頃は手を取り合って遊び歩いたじゃありませんか」
昔の話だ、と眉を寄せた九郎をするりと躱して、弁慶はにっこりと片手を差し出した。九郎が、うっ、と詰まる。
ほら、と催促する声に一度逡巡してから辺りをきょろきょろと見回す。そして差し出された手と弁慶の笑顔をじっと見比べた。
「九郎?」
拗ねた声なのに楽しそうな微笑。
九郎はそれに観念して、ぶらぶらと振られた手を取った。
「ふふふ…ありがとう」
ぱっと花が咲いたように急にご機嫌になった親友に九郎は天を仰いだ。
「とっても温かいでしょ?」
視線を戻すと微笑した弁慶。
繋いだ手を目の高さまで持って来て、ね?、と小首を傾げる。
そのまま楽しそうに歩き出した弁慶に手を引かれ、九郎もゆっくりと足を踏み出した。
くく、くく、と草履が雪を踏み締める感触と、鼻唄で童唄を唄う親友。そして手を引かれている自分。
何だか本当に幼い頃に戻ったような気がして、九郎は思わず苦笑した。
「弁慶」
「何ですか?」
振り向いた親友の楽しそうなこと。
九郎は吹き出して、いや、と肩を竦めた。それに弁慶が、変な九郎、と笑う。
九郎は握り合った片手をぶらりと振って、破顔した。
「弁慶は温かいな」
弁慶はぱちりと瞬いて、次いで視線を繋いだ手に移す。
「温かいのは九郎の方でしょう?」
それに九郎が、そうか?、と首を傾げる。
「昔から九郎の手は温かかったですよ」
ふふ、と弁慶が悪戯っ子の笑いをする。
「覚えていませんか?いつも僕の手を引いていたのは九郎だったのに」
九郎は一瞬沈黙して、それからカッと頬を染めた。
可愛かったなあ、とのほほんと笑った弁慶に、九郎の窘める声が飛ぶ。
「弁慶!」
「おや怖い。これは逃げた方が良さそうだ」
そう言って駆け出した弁慶の背を九郎の怒号が追う。
「こら…弁慶!」
「先に帰りますね」
「あ、待て!」
あははは、と笑って逃げるその背を九郎も全力で追う。脚には自信のある九郎だがなかなか追い付けない。それに苛々してまた大声で叫んだ。
――――お陰で梶原家に走り着いた頃には二人とも汗を流す程で、珍しい二人の姿に出迎えた景時は大笑いだったとか。
じゃれ愛が好きです(どーん)
くだらないぐらい些細な事でイチャイチャさせるのが得意です。
弁九弁ですが、最終的に源氏トリオになるという趣味全開のオチで済みません。源氏トリオ好きです。えへ。
弁慶も九郎も二十歳過ぎのイイ大人なのですが、幼馴染感が抜けなくていつもこんな風に騒いでいたらいいな、と激しく妄想してます。そこにプラス景時(笑)あぁん最高。